複雑さと曖昧さに耐える

最近、実家同然の如くどっぷりお世話になっている老夫婦のお家で、夕食後何時ものようにまったりしていると、天井裏でガリガリという物音がした。どうやら、長年ネズミが住みついているのだという。その時動物を飼う話題をしてたので、私が笑いながら「猫でも飼えば良いのでは?」と提案すると「私達はもう老い先短いから動物は飼えないのよ。」とやけに現実的な答えが帰ってきたと思うと、奥さんの方が徐ろに箒の柄の先で天井をドンドンと叩き出したのだ。私はあっけに取られて「何してるの?そんな事して意味あるの?」と聞くと「意味ないけど、悔しいじゃない!人間が住んでるっていうのにこんな早い時間からゴソゴソして。こうすると私の気が晴れるの!」というのだ。「そ、そうなんだね。」と答えたが、何ともその不合理な行動が理解出来ず、じゃあ、ネズミが住みついていることに対して不快には感じているのか?と問うと不快に感じてはいるという。でも、特に時々天井を箒の柄でドンドンするだけで何も対策していないのだという。私は「それでは何の解決もしていないではないか!」と思った。私ならすぐさま、スマフォでググるのに「ネズミ駆除」と。そして、その場で業者に連絡するだろう。

しかし、その時、ふと先の大戦の戦後処理の際、中国が日本に賠償金を求めなかったり、尖閣諸島問題をお互い不問とすることで、今日まで両国間で平和と経済を維持し繁栄する事が出来たという話を思い出した。

もしかしたら、何でもかんでも合理的に考える事が必ずしも良いとは限らないのかもしれない。と、考え直した。

そういえば、日本には昔多くの狼が居たが、家畜を食べたり人を襲うので明治時代に徹底的に「駆逐」されて絶滅してしまった。そして、その結果食物連鎖のバランスが崩れてしまい、鹿が増えすぎて畑を荒らしてしまったり、森が荒廃したりした。しかし、そんな森に再び狼を放すと豊かな自然が戻ったという例もあるという。世界や自然は色んな事が絡みあって、複雑で、未知で、絶妙な表や裏の事情やパワーバランスがある。だからこそ、世の中が一方方向に強引に進んでいると感じると凄く違和感を感じるし、天邪鬼になってしまう自分がいる。

しかし、そんな私もついつい「こうすれば一発で解決!」という手を使いたくなる。だって、色々な事情を知ったり調べたり考えたりするのはとても面倒臭くて、骨が折れるし、何よりコスパが悪いではないか。でも、きっとそういう考え方が戦争に繋がってしまうのだろう。もっと複雑で曖昧な事を受け入れる忍耐力が必要だ。

そうそう、戦争といえば沖縄から帰ってからずっと気になっていた「白旗の少女」の本を読んだ。(漫画だけど笑)どうして6歳の少女が家族と別れて生き残れたのか。それは、彼女の父親が亡くなる前に「私がいなくなったら、各自自分の頭で考えて判断し、行動するように。」と言ったこと。そして「人の真似をせず、独りぼっちになることを恐れないこと」という言葉によものが大きい事を知った。

まだまだ、この世の中は知らないことばかりで、出来るだけ知り尽くしたいという気持ちはあるのだけれど、全てを知る事は出来ないし、自分の理解力の限界も感じるし、人だから間違うこともある。というか、私は間違ってばかりだ。

でも、最後は自分の直感を信じて一歩ずつ進むしかない。独りぼっちを恐れずに。

TRY&ERROR!

この文章を書いてる際、ちょっと前に流行った曲の歌詞を思い出したので、合わせて載せておきます。そしてfukase君はやっぱり天才だと思う。

 


Habit

歌:SEKAI NO OWARI

作詞:Fukase

作曲:Nakajin

君たちったら何でもかんでも
分類、区別、ジャンル分けしたがる
ヒトはなぜか分類したがる習性があるとかないとか
この世の中2種類の人間がいるとか言う君たちが標的
持ってるヤツとモテないやつとか
ちゃんとやるヤツとヤッてないヤツとか

隠キャ陽キャ
君らは分類しないとどうにも落ち着かない
気付かない本能の外側を
覗いていかない? 気分が乗らない?

つまり それは そんな シンプルじゃない
もっと 曖昧で 繊細で 不明瞭なナニカ

例えば持ってるのに出せないヤツ
やってるのにイケないヤツ
持ってるのに悟ったふりして
スカしてるうちに不安になっちゃったりするヤツ

所詮アンタはギフテッド
アタシは普通の主婦ですと
それは良いでしょう? 素晴らしいでしょう?
不可能の証明の完成なんじゃない?

夢を持てなんて言ってない
そんな無責任になりはしない
ただその習性に喰われないで
そんなHabit捨てる度 見えてくる君の価値

俺たちだって動物
こーゆーのって好物
ここまで言われたらどう?
普通 腹の底からこうふつふつと

俺たちだって動物
故に持ち得るOriginalな習性
自分で自分を分類するなよ
壊して見せろよ そのBad Habit

大人の俺が言っちゃいけない事言っちゃうけど
説教するってぶっちゃけ快楽
酒の肴にすりゃもう傑作
でもって君も進むキッカケになりゃ

そりゃそれでWin-Winじゃん?
こりゃこれで残念じゃん
そもそもそれって君次第だし
その後なんか俺興味ないわけ

この先君はどうしたい?
ってヒトに問われる事自体
終わりじゃないと信じたいけど
そーじゃなきゃかなり非常事態

君たちがその分類された
普通の箱で燻ってるからさ
俺は人生イージーモード
ずっとそこで眠っててアラサー

俺はそもそもスペックが低い
だから足掻いて足宛いて醜く吠えた
俺のあの頃を分類したら
誰の目から見ても明らか

すぐ世の中、金だとか、愛だとか、運だとか、縁だとか
なぜ2文字で片付けちゃうの

俺たちはもっと曖昧で
複雑で不明瞭なナニカ
悟ったふりして驕るなよ
君に君を分類する能力なんてない

俺たちだって動物
こーゆーのって好物
ここまで言われたらどう?
普通 腹の底からこうふつふつと

俺たちだって動物
故に持ち得るOriginalな習性
自分で自分を分類するなよ
壊して見せろよ そのBad Habit

俺たちだって動物
こーゆーのって好物
ここまで言われたらどう?
普通 腹の底からこうふつふつと

俺たちだって動物
故に持ち得るOriginalな習性
自分で自分を分類するなよ
壊して見せろよ そのBad Habit